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磁気バイオフォーラム 創設記念シンポジウム 講演概要

(報告者 山根隆上席研究員)

開催日時:平成22(2010)年 12月3日(金) 14:00〜16:30        
開催場所:JSTイノベーションプラザ東海 1F セミナールーム

藤沢寿郎副研究部長の司会でスタートし、まずこのフォーラムを設立した経緯が紹介された。

挨拶:内藤進(名古屋産業科学研究所理事長、磁気バイオフォーラム名誉会長)

 「世の中には面白い現象があるものだ」という切り口で、炭の発熱温度の違いによる暖房効果・調理における違いなどを紹介された。ついで、磁気における不思議な効果に関連して、磁気が植物の生長を促進するという珍しい話を聞くのが楽しみと挨拶された。

 司会の藤沢寿郎副研究部長  挨拶される内藤進名古屋産業科学研究所理事長


講師・講演題目
1.毛利佳年雄(名古屋産業科学研究所・上席研究員)
  「磁気プロトニクスの原理と応用」
 10年前に、磁気と水との関係に興味を持ち、交流磁界で水の電気抵抗が減少するという新発見から、水の磁化とプロトン活性化モデルを検証された経緯が紹介された。さらに、生物細胞内でのエネルギー生産(分子モーターによるATP生産)ではプロトン(H+)の流れが伴うことに着目し、低周波磁場中をプロトンが移動することにより、生体活性化(=動植物成長)を促進する磁気プロトニクスの機構モデルが紹介された。電気的に磁場を発生させての長期的な成長事例の検証の難しさを感じていた中での、磁性橄欖岩との出会いとその特性の解析、実際の事例を目の前にしての成長例の紹介と、非常に強いインパクトを与える講演であった。

2.安藤徹明(鶴田石材(株)・試験室長)
  「菅島磁性橄欖岩の採掘と磁気石選別機技術」
 鶴田石材の業務内容、菅島工場の紹介の後、菅島産橄欖岩の特長と磁性橄欖岩についての紹介、現在進めている磁性橄欖岩選別機の開発について紹介され、埋蔵量や他の橄欖岩との違いなどについての討論が行われた。



 講演中の毛利佳年雄上席研究員   講演中の安藤徹明鶴田石材(株)試験室長


3. 生物成長促進事例展示および意見交換
 参加者は51名で非常に盛況であった。海水中の藻場の生長促進に使えないかなど、応用面で多彩な問題が提起され活発な討論が行われた。また、磁性橄欖岩の商品化についても強い関心が示された。最後に、参加者に菅島磁性橄欖岩が配布された。

シンポジウムの会場風景   植物の成長比較:左から、いちご(磁性橄欖岩未使用)、いちご(磁性橄欖岩使用)、ピーマン(磁性橄欖岩使用)、ピーマン(磁性橄欖岩未使用)。磁性橄欖岩を根元に置いたほうの成長が顕著である。



 金魚の成長比較:右の底に磁性橄欖岩を敷き詰めた方が約5割大きい。磁性橄欖岩を敷き詰めてない左の水槽に比べ、右の水槽の金魚の動きはゆったりしている。

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